シンポジウム「日本の宝 カッコソウを守るために」

会場に貼られてあったポスター。欲しいなぁ。
鳴神山通信

群馬県内の活動団体のポスター展示もありました。
鳴神山通信

シンポジウムの様子。
鳴神山通信

Ⅰ内容



基調講演

「生物多様性の保全とカッコソウ」鷲谷いづみ氏

地球の生命の歴史第6番目の大絶滅時代ともいえるほど、現在多くの生物がものすごい速さで絶滅している。

 桐生市鳴神山の固有種カッコソウも又絶滅の危惧が高い植物である。

 当講演は地球レベルでの生物多様性の損失の現状の説明とともにカッコソウ特有の現状についての言及であった。

 カッコソウは地下茎による繁殖と種子による繁殖によって増えるのだが、現状では種子による繁殖がうまくいっていないそうだ。異なった種類の花(短花柱花と長花柱花)の間で花粉が運ばれることによって種子繁殖をするのだが、相性がいい組み合わせが少ないのではないかという話だった。

「最新の遺伝解析技術を活用した希少植物の保全」井鷺裕司氏

 日本には絶滅危惧種ⅠA類に該当する植物は約1000種あり、それら希少植物の保全活動が各地で盛んに行われている。

 しかし現状の保全活動においては遺伝学的性質を考慮していないという問題点がある。①近親交配による近交弱勢、②外交配弱勢(生物には同一種内でも地域ごとに遺伝的に分化した異なる系統があるが、誤ったかけ合わせをすると形質の弱い個体が増えてしまうということ)③種のもつ歴史を破壊する可能性が高まるなどだ。すなわち誤った移植を行うと絶滅へつながってしまうということだ。

 各地の希少植物の遺伝解析の事例を元に遺伝解析で分かることを鮮やかに語った。




パネルディスカッション「これからのカッコソウ保全のありかた」

希少植物の保全に一番大切なのは法、国の保護以前に地元住民の熱意である。残念ながらカッコソウは地元ではあまり身近な存在ではない。地元に認知されるにはどうすればいいかの具体案が研究者、参加者から活発に出された。



感想



基調講演は前半でカッコソウの過去から現在までの現状について、後半で今後の新たな保全活動の手法としての遺伝解析がとりあげられたように見受けられる。

カッコソウの過去現在未来を網羅した基調講演の構成も内容も素晴らしかったが、私はパネルディスカッションの方が印象深かった。

「日本の宝」を守るには地元というしっかりした地盤がなければいけないということが再認識された。もし行政が本気で力を入れるならば、市内の全小学生に鳴神山ハイキングを経験させること、学校の授業でカッコソウを取り上げることなどが必要になるのだろう。

カッコソウの認知度の低さ同様に鳴神山の認知度の低さも深刻なのではないだろうか。カッコソウは鳴神山なくしてありえず、カッコソウを愛するとはすなわち鳴神山を愛することだ。地元住民Fさんのおっしゃるように「まず鳴神山へ足を運んでください」が一番大切ではないかと思っている。





スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

鳴神山愛する会

Author:鳴神山愛する会
ようこそ鳴神山へ!
主に季節の見どころ(花メイン)と登山道整備の記録を綴っています。
なにぶん素人ゆえ、花の同定には間違いが多いですがご了承下さい。
行政でもなく、営利目的でもなく、ひたすらに山を愛する山男達の登山道整備を記録しています。
何気なく歩いている山にどれだけ多くの手、愛情が加えられているかを
是非知っていただきたいと思っています。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム